色々とご心配をおかけしましたが、退院後に繰り返した発熱は落ち着いた様子で、今週も七海は機嫌良く動き回っていました。

今週は血液検査が火曜日と金曜日の2回、月一回受ける抗ウイルス薬の点滴が木曜日に、診察が金曜日にありました。血液検査は数値が安定してきたため少し前から週一回になっていましたが、ここしばらく血中CO2が低い状態が続いていて、火曜日の結果も低かったため他の腎機能数値は良好でしたが念のため金曜日も再度血液検査を受けました。

移植後しばらくの間は、移植した腎臓に対して免疫力が働か(拒絶反応)ないように、大量の免疫抑制剤を使用します。この薬を使用して免疫力を抑制し、拒絶反応が起きない状態を保ちます。免疫抑制剤が多ければ、免疫力が低下するため感染症にかかり易くなりますが、免疫抑制剤が少ないと拒絶反応が起こり、移植させていただいた腎臓にダメージを与えてしまいます。そのため、検査と診察で拒絶反応が現れないことを確認しながら免疫抑制剤を徐々に減らし、一定の血中濃度を維持しつつ免疫力を回復させて行きます。

金曜の診察では、免疫抑制剤の調整に伴って免疫力がある程度回復してきているため、今後しばらくは急性的な拒絶反応に注意が必要ですと先生が仰いました。また、今回のCO2低下は下痢や投薬の影響による可能性が大きいものの、拒絶反応による腎機能低下でも起こりうるため、他の検査数値と合わせて今後の経過に注意することや、超音波検査と放射線検査を行うことになりました。

ミルクの量については離乳食を安定して食べるようになってきたため、徐々にフィーディングチューブ経由で連続して与えているミルク量を更に減らして、空腹時間を作り、離乳食を今よりも多く食べるようにさらにトレーニングを進めることになりました。離乳食はある程度食べるようになりましたが、口で飲む量はまだそれほど増えていないため、水分については2時間毎に摂取する最低限の水分量を決めて、飲まない分についてはフィーディングチューブ経由で補うことになりました。今、腎臓は回復過程にあり、充分な栄養と水分の摂取はとても重要なことです。七海自身も積極的に食べてくれていますので、今回の変更で今まで以上に食べたり飲んだりしてくれることを期待しています。

抗ウイルスの点滴は、手術の退院後、今回で3回目、次回が最後になります。1、2回目は2種類の点滴を受けましたが、今回と次回は1種類です。七海は免疫力を抑えられているため、重篤な感染を予防するためにこれらの点滴の他にも抗ウイルス薬や抗菌薬を服用しています。発熱などで一時的に追加になるものを除くと、月一回の注射が1種類と毎日服用するものが3種類あります。これらの薬には、七海が成長とともに免疫をつけていくまで助けてもらうことになります。

中山明・美紀子