おかげさまで七海は順調に回復してきています。移植させていただいた腎臓の機能もだいぶ良くなってきました。日を追うごとに様々なことが良くなっていくことにとても喜び、感謝しています。このまま順調に行けば、数日中に退院できるとのことです。

七海が順調に回復し、腎機能も回復の兆しがはっきりと見えてきたため月曜日に小児移植外科の一般病棟に移ることができました。一般病棟は患者と家族が一緒に寝泊りしながら看護をすることができます。希望すれば大部分の看護は自分達で行うことができるため、退院後のアパートでの看護を身に付けるために2人で交代して24時間看護しています。

看護の内容は、数時間おきの投薬や1時間毎の尿量の確認、血圧・心拍・体温測定、点滴およびミルクの確認が主な内容です。薬は、移植腎に対する拒絶反応を抑えるための免疫抑制剤、免疫抑制によって発生する様々な感染を予防するための薬など十数種類あり、数時間おきにその中からいくつかを与えています。種類と回数は徐々に減って行くと思いますが、移植前に比べると圧倒的に多いため入院中に完璧に覚えたいと思います。また、移植後は免疫抑制剤を与えているため、とりわけ衛生に注意しています。七海に触れる前の手洗いと殺菌はもとより、私達の身の回りの殺菌など頻繁に行っています。過敏すぎるきらいはありますが、安全のためには良いことですのでこのまま習慣化できればと思います。

その他に腎臓を保護するために十分な水分を点滴とミルクで与えて尿量を多くする必要があります。ミルクの量が増えれば点滴は必要なくなるのでなるべく早く増やしたいところです。無理をすると嘔吐してしまうので、ミルクの量と濃さ、胃腸の回復を見ながら調整したいと思います。

七海の意識は完全に回復し、おもちゃで遊んだり、寝返りをしたりするまでになりました。先生や看護師の皆さんを怖がって泣くのは相変わらず続いていますが、一度退院してアパートでしばらく落ち着けば本来の愛嬌を振りまく性格に戻ってくれると思います。

中山明・美紀子