今月の定期診察の前日に、娘の熱が急に上がったため、救急外来で検査して頂いたところ、尿路感染が判明したためそのまま入院していました。

昨日退院し、帰宅後は入院時に動き廻れなかった分を取り戻すかのように一日中部屋の中を走り回っています。最近は色々なことを理解して、人まねをしたり、問いかけに応答したり、言葉も徐々に話すようになってきました。運動に関しては歩きがかなり安定してお転婆ぶりに拍車がかかってきました。食欲も相変わらず旺盛です。

その前々週も、風邪で高熱と嘔吐が始まったため、脱水予防の点滴と感染予防の抗生物質投与のため入院しました。幸いこの時は3日程で体調が回復したため早く退院できましたが、今回は尿路感染で、感染を示す血液検査数値もかなり高かったため比較的長い入院となりました。

救急外来では、先生方が診察と問診、血液・尿・インフルエンザの検査を行って下さいます。尿路感染症も怖いですが、いま猛威を振るっている麻疹やインフルエンザなどの感染症全般をとても恐れています。七海は移植させて頂いた腎臓に拒絶反応を起こさないために、免疫抑制剤を服用して免疫力を押さえています。そのためあらゆる感染症は重篤化し易くなっています。またワクチンもそれ自体に感染して悪化する可能性が高いため接種はできず、感染症がニュースになる度に早く下火になってくれる事を願っています。

大きくなって充分な体力がつくまでは、家の周りで散歩したり、七海の健康事情を理解して注意してくださっている方と少し立ち話する程度など、回数も必要最低限にして基本的に安全を確保することを最優先に考えています。とは言え心身の発育のためには色々な刺激が必要不可欠な時期でもあるので、先生方と相談しながら安全を最優先に考えて行きたいと思います。

入院中は毎日大勢の先生方が七海を含めた患者さんの状態を頻繁に事細かく確認して治療を進めて下さいます。小児の腎移植に関して月齢は別として今までに大勢のお子さんを診ておられ、私達も普段の治療や相談を始め、感染症などの緊急時の処置や症状や治療の説明など全ての面において安心していられるため本当に助かっています。

七海は最近は病院で痛いことがあることを理解しているようで、処置を察知して嫌がるようになりました。処置が終わると大体ケロッとしてくれるので助かります。小児の先生や看護師の方々は、自分の状態を言葉で説明できない子供達を時間をかけて辛抱強く観察しなければなりませんし、泣き叫んでいる状況でとても小さい体に処置しなければならないので体力的にも精神的にも技術的にも本当に大変だろうと思います。

先月末はマイアミ大学の加藤先生が日本に来られた際に、わざわざ時間を作って七海の経過を診て下さいました。加藤先生は執刀医としてアメリカから術後の経過を診て下さっています。順調に成長して経過も良好であることを実際に目にしてとても喜んで下さいました。私達はこの順調ぶりに驚かれるかと思っていましたが想定の範囲だったようです。七海の治療において常に完璧を目指して細心の注意を払っておられたことや、これまで大勢の方が救われて来た移植医療の最前線で体を張っておられる事を改めて感じました。

今月はかなり慌ただしい1ヶ月となりましたが、日本とアメリカの両方で、心強い医療関係者の皆様に娘を守っていただいていることに心から感謝しています。また、再び平和な生活を続けられるようにあらゆる面で努力したいと思います。

中山明・美紀子